2021年10月08日 厚生委員会[後半]

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2021年10月8日 厚生委員会[後半]
都立・公社病院の独立行政法人化に関する定款提出の質疑となります。

動画は、以下のリンクより
https://nws.stage.ac/metro-tokyo-stream/arcplayer.html?list=C01_5&id=57&lecno=5
6時間26分13秒〜

関口健太郎
関口健太郎

よろしくお願いします。
 先ほどから質疑がされております。重なる部分などは省いていきたいと思いますけれども、重要な部分に関しては改めて伺うところもあるかもしれません。よろしくお願いいたします。

 先ほどからも話がありましたが、都立、公社十四病院で、2000床のコロナ病床を確保しているということと、夏以降の感染拡大の時期には1500人の患者受入れをしているということで、極めて今、この都立、公社の役割というものが問われていると思っておりますし、コロナを経て、よりその機能というものに注目がされているのではないかと、そう思っております。

 先日の立憲民主党会派の代表質問におきまして、私たちは、都立、公社病院の独立行政法人化の提案は、現場に不要な不安を招き、都民サービスの低下につながりかねないと懸念する指摘をいたしました。なぜ、あえてコロナ禍での提案なのかと見解を伺いましたが、なかなか的を射た回答を得られなかったのではないかと、そう思っております。
 改めて伺いますが、なぜ今、このタイミングなのでしょうか。

都側
都側

都立、公社病院は、専用医療施設の開設等によりまして2000床のコロナ病床を確保し、他の医療機関で対応が困難な患者等の受入れに率先して取り組んでおります。
 一方、地方公務員法など現行制度の下では、兼業や給与設定等に制約がございまして、迅速、柔軟な人材確保などにおきまして、課題が改めて明らかになっております。
 独法化は、こうした現在の制度を改革し、柔軟な病院運営を可能とするための取組でございまして、法人独自の勤務制度等を構築することで、人材の確保、活用を機動的に進めることができます。

 今後、コロナ感染症への対応や新たな感染症の発生に備えるために、感染症医療提供体制を一層強化する必要がございます。
 また、超高齢社会の中でも、患者ニーズに機動的に対応できる体制を早期に整備する必要があるため、本定例会に定款の議案を提出したものでございます。

関口健太郎
関口健太郎

2019年12月の都議会第4回定例会におきまして、知事は所信表明において、都立病院と公社病院の独法化の方針を示しました。独法化への移行が検討され、計画されておりましたのは新型コロナの前でありました。
 本来であれば、医療体制が大きく一変した今、やらなくてはならないのは、行政的医療における感染症医療や公衆衛生の立ち位置を検証し、ポストコロナの医療を再考することではないかと、そのように考えております。都の見解を伺います。

都側
都側

2020年3月に独法化の方針として策定いたしました新たな病院運営改革ビジョンにおきましては、現行の経営形態には、地方公務員法などによる制度的制約があり、医療ニーズの変化に対応した柔軟、迅速な人材確保などに課題があることをお示ししております。

 新型コロナウイルス感染症への対応におきましても、現場が必要とするタイミングでの人材の確保など、ビジョンに記載したものと同様の課題が生じております。
 こうした課題を解決するため、早期の独法化が必要であるということでございます。

関口健太郎
関口健太郎

今もおっしゃっていただきましたけれども、感染症医療提供体制の強化、こういったものもうたっているわけでありまして、当初は想定をしていなかった後づけの論理ではないかというように私は見てしまうんですが、都の見解を伺います

都側
都側

先ほど申し上げた新たな病院運営改革ビジョンにおきましては、独法化のメリットを生かした新たな展開をお示ししてございます。
 その中で、首都直下地震や激甚化する豪雨災害、新興感染症などへの体制を充実し、新たな課題にも着実に対応する、こういった旨を示しているところでございます。

関口健太郎
関口健太郎

確かに新興感染症の記載というものはございます。しかし、これほどまでの感染症というのは、今までこの国において経験をしたことがないということでもございます。
 確かに新型インフルの特措法、こういったものにおいて、自治体では行動計画などがつくられているわけでありますが、やはり今回のコロナの対応を見ていても、それでは不十分であるということで、いま一度、先ほども申し上げましたが、行政的医療の在り方であったりとか、あるいは感染症対策、公衆衛生の在り方、こういったことを見直す時期に来ていると私は考えております。

 さて、今後、都立、公社病院が独法化へ移行した後、再度、都の直営に戻すということはできるのでしょうか。

都側
都側

法人職員となった者が、再度、設立団体等の職員となる場合の手続につきましては、地方独立行政法人法上、規定をされておりません。

関口健太郎
関口健太郎

地方独立行政法人法上、規定をされていないということで、再度の直営というものはできないということであると思います。
 同じようなことを何度も聞くようで恐縮でありますけれども、再度の直営というものができないのであれば、拙速な判断であると考えますけれども、都の見解を伺います

都側
都側

独法化は、医療環境の変化に即応できる機動的な病院運営を実現することによりまして、感染症医療をはじめとする行政的医療を将来にわたり、安定的、継続的に提供する役割を果たしていくために行うものでございます。

 この先、超高齢社会の本格化等により、医療環境が大きく変化する中におきましても、医療課題や都民ニーズに着実に対応することが不可欠でございまして、そのための体制づくりは待ったなしでございます。
 引き続き、今後も新型コロナウイルス感染症への対応に全力を尽くすとともに、独法化への準備を着実に進めてまいります。

関口健太郎
関口健太郎

さらには、この独法化を推し進める予算、マンパワーがあるのであれば、その資源は新型コロナに徹底して振り分けるべきだ、こういったことも先日の代表質問において我が会派で主張してまいりました。

 独法化移行の予算は幾らでしょうか。また、独法化に移行することにより、どれほどのマンパワーを必要としているのか伺います。

都側
都側

今年度の病院会計予算では、独法化の準備費用といたしまして22億4800万円を計上しており、また、病院経営本部に専任の担当者を10名配置して検討を進めております。
 なお、コロナへの対応につきましては、福祉保健局の入院調整本部の運営に、この専任の担当者をはじめ、病院経営本部の職員を毎日派遣しておりまして、病院経営本部と福祉保健局が一丸となって入院調整に当たっております。

関口健太郎
関口健太郎

今、準備費用が22億ということと、病院経営本部に担当者10名配置ということでありました。

 しかし、現場のいろいろな細々なことを考えたら、多くのマンパワーが必要でもありますし、そういったことを考えると、やはり今やるべきは第6波に備えた予算であったり、あるいは人手、人、物、金、こうしたものを集中していくことが必要だと思っております。
 独法化に伴う業務の増大については強く指摘をしたいわけでありますが、この独法化に、移行に伴う業務として想定がされることは、どのようなものが挙げられるのでしょうか。

都側
都側

独法化の業務といたしましては、法人を設立するために必要となる各種制度の構築等がございます。
 具体的には、医療の充実強化の検討をはじめ、法人の組織運営体制や財務会計制度、人事給与制度等の構築、各種規定整備、システム構築などでございます。

関口健太郎
関口健太郎

ここで一つの報告書について取り上げたいと思っております。全国地方独立行政法人病院協議会が主体となった、全国の独法化された37法人に対して発送したアンケートがございます。37法人中、34件の回答を得ているそうでありますが、病院の独法移行に関するアンケート調査です。独法化後の現状調査報告ということで平成26年1月31日、少し古い資料でありますけれども、そういったものがございます。

 この報告書によると、独法化に伴い約6割の法人がデメリットを感じているとのことでありました。その中では、業務量の増大があったということで16法人がアンケートに答えている。さらには、設立団体との政策協議が難航したというのが3法人ある。移行の準備に費用がかさみ過ぎたと答えている法人が3法人あるということで、独法化に伴い、現場には大きな負担がのしかかることが分かると思います。
 さらにいえば、このアンケートの実施主体でありますけれども、あくまで独法化された病院の協議会がやっているものでありますので、そうした法人がやっているアンケート、色があるかといったら、どちらかといえば独法化に賛成的な、肯定的な方々のアンケートでありますので、そうしたアンケートをあえて見ていくことは重要だと思っております。

 都は、この全国の独法化された医療機関の実態把握に努めているのか伺います。あわせて、現場負担が増大することが明らかである中で、都はコロナ禍において、改めてこの独法化を進めるのか伺いたいと思います。

都側
都側

1点目の実態把握の点でございますが、全国の独法化された医療機関につきましては、公開されている情報を中心に収集するなど実態把握に努めております。
2つ目のご質問の部分でございますが、独法化の準備は、病院経営本部や病院の事務局が中心となって進めていくものでございまして、現場の医療従事者への影響が極力生じないように進めております。例えば、電子カルテなどの医療系システムや診察などの医療提供の運用は、独法化によって変わらず、医療従事者の負担を増大させることはありません。

 今後も、医療現場の負担を増大させないように配慮しながら、感染症医療をはじめとした行政的医療の安定的、継続的な提供や、都の医療政策への貢献などの役割を将来にわたって果たすために独法化の準備を進めてまいります。

関口健太郎
関口健太郎

今取り上げた報告書におきましては、さらには、この独法化移行に関する障害があったと答えた法人が15法人あります。その中でも、職員労働組合の反対と答えた法人が9つありました。

 現在、労働組合とはどのような協議がされていますでしょうか。また理解が得られているのでしょうか。また、平成15年、地方独立行政法人化附帯決議におきましては、雇用問題、労働条件について配慮して対応するとともに、関係職員団体または労働組合と十分な意思疎通を行うこととございます。この附帯決議は極めて重要であると考えますけれども、独法化移行に当たっての考えを伺いたいと思います。

都側
都側

職員団体とは、新法人の勤務制度や人事給与制度等について、適宜意見交換を行っているところであり、これまで、その声も踏まえながら適切に対応してまいりました。
 新法人における職員の雇用や労働条件については、委員ご指摘の附帯決議の趣旨も十分踏まえ、労使の信頼関係に基づき、引き続き職員団体と意見交換や協議を行ってまいります。

関口健太郎
関口健太郎

組合との協議というのは、これから始まるものかと思いますけれども、こうした附帯決議があるということと、さらには、コロナ禍であって、極めて現場が混乱をしている中で、さらに職員の働く環境というものが大きく変わるというわけでありますので、ぜひお願いをしたいと思っております。

 先ほど申し上げたように、独法化への移行は現場に不要な不安を招くと。不要な不安を招くということで一番恐れているのが、人材の流出ではないかと思っております。
 そこで伺いますが、具体的にいえば、大久保病院、多摩北部医療センター、荏原病院、豊島病院、この旧都立病院が公社病院に移行した際、移行する前年度に辞めた医療系の職種というのが何名いたのか、そしてさらに、その公社病院に移行された4つの医療機関で、公社移行後に辞めた医療系職種が何名なのか伺いたいと思います。

都側
都側

公社には、大久保病院、多摩北部医療センター、荏原病院、豊島病院を移管しておりますが、職員が退職する理由は様々でございますが、これらの4病院を公社に移管する前年度に退職しました医師、看護師、その他の医療系職種の人数は、合計で223名でございます。

 また、4病院を公社に移管した年度に退職した医師、看護師、その他の医療系職種の人数は、合計で55名でございます。

関口健太郎
関口健太郎

今、答弁の中にもございましたが、都立病院が公社病院に移行する前の年度は223名で、公社病院に移行した後、辞めたのが55名ということでありまして、約170名の差があるということであります。

 多少の数の差であれば、定年退職の方が多かったのか、いろいろな事情で辞めた方が多かったんじゃないかということで推察もされますが、さすがに4つの病院で170名の差がある、これは極めて、私は大きな問題であると思っております。
 さらにいえば、この後、都立病院が独立行政法人化されたときに、同じような人材の流出が起きるのではないかということを極めて懸念をしております。
 ただでさえ、今、厳しい労働環境にある、そういった中で、人材の確保ということを都立、公社病院の独法化におきましては掲げておりますけれども、この人材の確保よりは、むしろノウハウの蓄積のある職員が流出をしてしまうのではないかと懸念をいたしますが、都の見解を伺います。

都側
都側

委員がご懸念のようなことが起こらないように、独法化後は、職員が有する専門的知識や能力、勤務実績を適切に処遇に反映して、働きがいとさらなるスキルアップにつながる独自の人事給与制度を構築してまいります。
 また、育児、介護と仕事を両立できる短時間勤務など、職員のニーズに合わせた柔軟な勤務制度も構築してまいります。
 こうした制度の構築によりまして、職員が高い意欲と働きがいを持ち続け、安心して働き続けられる環境を整備することを職員にも丁寧に説明してまいります。

関口健太郎
関口健太郎

今お答えをいただきましたけれども、やはり私は、今のタイミングではないんじゃないかということを強く思うわけであります。

 我が会派の独法化移行に関しての代表質問に対し、より働きがいのある人事給与制度を構築するという答弁がございました。本委員会の中でも、同様の趣旨のものが出ているわけであります。
 働きがいのある人事給与制度とは、具体的にどのようなものを指すんでしょうか。

都側
都側

職員が都立病院で働くに当たりまして、やりがいを感じながら前向きに働くことのできる環境が重要であると認識しております。
 具体的には、例えば職員の持つ専門的知識、能力や業績をきめ細かく評価に反映する仕組みや、専門性に着目した手当の支給など、職員の働きがいにつながる制度構築に向けた検討を進めているところでございます。

関口健太郎
関口健太郎

私は、この働きがいのある人事給与制度というものをちょっと伺って、今、都立病院の職員の方が、なかなか非常に大変な中で、働きがいのあるという言葉のニュアンスというものに、少し残念な思いを抱くわけであります。

 現行の都立病院のままでは、この働きがいのある給与制度というものは不可能なんでしょうか。

都側
都側

都におきましてはこれまでも、医師の処遇改善や看護師確保対策など、現行制度の範囲内で、職員が意欲を持って働くことのできる勤務環境整備を図ってまいりました。
 一方で、地方自治法では、職員に支給できる手当の種類が限定されておりまして、また、地方公務員法におきましても、給与について国や他の地方公共団体等との均衡を求められております。
 これらの制約を受けない新法人においては、より柔軟な給与制度構築が可能となることから、職員の能力や職責、勤務実績をこれまで以上に適切に処遇に反映させるなど、一層の働きがいを感じられるような人事給与制度を構築してまいります。

関口健太郎
関口健太郎

今ご答弁をいただきましたけれども、地方公務員法の制約があるということでありました。そこで都は、この独法化に移行する意義として、迅速で柔軟な人材確保というものを掲げております。

 今ご答弁をいただきましたとおり、地方公務員法の制約があるとのことでありますが、改めて法的根拠を示していただけますでしょうか。

都側
都側

内容的には重複するところでございますが、例えば、職員の給与や勤務時間等については、地方公務員法第24条によりまして、国及び他の地方公共団体との均衡を求められております。

 また、他の医療機関での兼業については、同法第38条の営利企業等の従事制限により、原則として禁止されているところでございます。
 地方公務員法のこうした規定が、迅速で柔軟な人材確保において一定の制約となることがございます。

関口健太郎
関口健太郎

今、兼業ということがありまして、先ほど他の委員から、兼業についても問題なくできるんだというような話がありました。
 迅速な人材確保という観点であれば、例えば、年度途中の採用などを実施することも可能だと思いますが、今まで年度途中採用というものはされてきたのでしょうか。

都側
都側

病院経営本部では、職種の実情に応じまして、人事委員会から委任を受けて採用選考を実施しておりまして、医師、看護師、臨床検査技師など、福祉系及び医療技術系の11職種の採用を行っております。
 これらの職種について、年度途中での欠員が発生した場合、中途採用の実施について関係局に協議し、了承された場合に中途採用を行っております。そうしたような事実があるということでございます。

関口健太郎
関口健太郎

今ご答弁をいただきましたように、欠員が発生した場合などは中途採用を行っているということであります。
 また、柔軟な人材の確保ということも非常に大きく掲げられているわけでありますし、迅速で柔軟な人材の確保といわれれば、それに賛成をする方はほとんどであると思っております。
 ただ、この柔軟な人材の確保という観点であれば、都の職種の改定を行うことは可能であります。定期的に都の職種をアップデートすることにより、補うことができるはずではないかと私は考えております。

 今まで都の職種改定はされてきたのでしょうか。あるいは、されていなければ、なぜされてこなかったのでしょうか。

都側
都側

職種でございますけれども、職務をその種類の類似性により分類したものでございまして、採用、配置管理、処遇など、その組織の人材戦略の必要性に基づき、必要な専門知識や経験、資格要件等を考慮して定めるものでございます。
 東京都では、職種改定は行われておりまして、直近では、ICTが新たな職種として2019年度に新設され、2020年度に採用試験、選考を実施しまして、2021年四月に職員を採用しております。
 職種改定は、関係局が全庁的な観点から行っておりまして、これまで統廃合や廃止は複数回行われているものの、ICT以前の新設につきましては、1973年に老人養護などが新設されておりますけれども、定期的な実施は行われていないと聞いております。
 また、直近の事例のように、ICTのように新たに職種が設置され、試験を行い、実際に職員を採用するまでには時間を要することとなります。
 そのため、柔軟に対応できる独法化により、病院に必要な人材の確保を行う必要がございます。

関口健太郎
関口健太郎

先ほどから答弁をいただいているわけでありますが、迅速で柔軟な人材の確保ということで、先ほど他の委員から、兼業についてはということで、兼業についてもできるんだという話でありましたし、年度途中採用というものも実際には行われている。そして、都の職種、これに関しては、直近であればICTという分野が職種の改定をされたわけでありますけれども、これも要は、やる気の問題ではないかと思うんです。
 ICTに関しても、必要だからこそ改定を行ったわけでありまして、もしそうした医療の現場で職種の改定が必要なのであれば、しっかり議会を開けばいいわけでありますし、幾らでも協力はしたいと思っております。
 ですので、何度も申し上げるようで大変恐縮でありますけれども、なぜ今なんだと。そして、今やるべきは、このポストコロナの、後の医療、感染症医療、行政的医療、こうしたものをしっかり検証した上で、都立、公社病院の在り方というものを考えるべきではないかということを改めて申し上げたいと思っております。
 現在の都立病院の経営形態は、地方公営企業法(一部適用)ということであります。地方公営企業法、全部適用にすれば、職員定数を独自に定めることも可能でありますし、給与や勤務時間を独自に設定することが制度上は可能であったはずであります。
 2020年3月の新たな病院運営改革ビジョンでは、経営形態の制度比較がされておりますし、地方公営企業法の全部適用も選択肢の一つにされております。
 こうした観点も踏まえて、なぜ地方独立行政法人化が望ましいと考えたのか、また、コロナ以前の報告書であることも考慮し、経営形態について、都において再考されたのでしょうか。

都側
都側

新たな病院運営改革ビジョンでは、現行の経営形態には、地方公務員法などによる制度的制約があり、医療ニーズの変化に対応した柔軟、迅速な人材確保などに課題があることをお示ししておりますが、地方公営企業法の全部適用でも、現在の一部適用と同様に、定数や給与の面で制約を有しております。
 こうした制度的制約を解決するため、地方独立行政法人が今後の都立病院に最もふさわしい経営形態であると判断をしたものでございます。
 なお、新型コロナウイルス感染症への対応におきましても、現場が必要とするタイミングでの人材の確保など、ビジョンに記載したものと同様の課題がございます。
 このため、早期の独法化が必要であると、このように考えております。

関口健太郎
関口健太郎

今ご答弁をいただきましたが、岩手県の公立病院の経営の在り方を考える報告書があるそうでありますが、その中では、地方独立行政法人化も、あるいは、地方公営企業法の全部適用であったとしても、さほど中身は変わらないんだというような分析をされているようであります。
 話題を変えます。国の独法化された公的医療機関として、国立病院機構、そして地域医療機能推進機構が挙げられます。しかし、先ほど他の委員からも質問がありましたが、コロナ患者の受入れが極めて少ないということが問題となっておりました。
 この2つの機構を支える法律のそれぞれの21条に、公衆衛生上重大な危害が生じ、もしくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため必要があると認めるときは、機構に対し、必要な業務の実施を求めることができるといった規定がございます。両機構法は、機構は、求めがあったときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならないとも定めております。にもかかわらず、実効性が伴わないお願いしかできないというのが実情でありました、少し最近、事情は変わりましたが。
 一方で、都立、公社、独法化に目を向けると、本委員会に付託されている定款の第19条では、法人は、災害が発生し、もしくはまさに発生しようとしている事態または公衆衛生上重大な危害が生じ、もしくは生じるおそれがある緊急の事態に対処するため知事が必要と認める場合において、知事から18条に掲げる業務のうち必要な業務の実施を求められたときは、その求めに応じ、当該業務を実施することとある。
 私は、国の独法化された公的医療機関が、コロナ病床の受入れに消極的であるということと同様に、都立、公社病院が独法化された後、災害時や公衆衛生上重大な危害の生じた際に実効性が伴わないことを懸念しておりますけれども、都の見解を伺います。

都側
都側

感染症医療をはじめとする行政的医療の提供は、都立病院の役割であり、独法化後も変わることはございません。
 特に、感染症のような緊急時に率先して対応することは、都立病院の重要な使命でございまして、法人化後も、今回のような事態が生じたときには、状況に応じて、法人自ら、また都の対応方針の下で、都立病院が率先して取り組んでいくことは当然のことと考えております。
 このため、定款18条には、法人の役割として、行政的医療の提供をはじめ、災害及び公衆衛生上の緊急事態等に対処することなどを規定してございます。
 また、定款19条で、緊急時等に、知事の指示の下、必要な業務を行うことを定め、その確実な実施を担保してございます。
 定款は法人の根本原則であることから、法人はこれに応じる義務がございます。

関口健太郎
関口健太郎

定款の19条において、知事が必要と認めた場合には、法人としてどのようなプロセスが必要となるのでしょうか。また、それに伴い、知事が必要とした際に、法人に対しては拘束力や効力は有されるのでしょうか。

都側
都側

定款19条に基づきまして、知事が法人に必要な業務の実施を求めた場合、法人は状況に応じて、理事会での議決もしくは理事長の決定により、速やかに求められた業務を実施することになります。
 また、定款は、先ほど申し上げましたように、法人の根本原則であることから、19条に基づき、知事が必要な業務の実施を求めた際には、法人は、これに応諾する義務がございます。

関口健太郎
関口健太郎

定款の原則というものは、私も拝見をしておりますけれども、もちろん重要なことだと思っております。その中身に関しては賛同するものでありますし、先ほど他の委員から質問がありましたが、法人への財政措置として、運営費の負担金、こうしたものが担保をされているわけでありますが、先ほど他の委員が質問しましたので、質問はいたしませんが、ただ、これは極めて重要なものであると思いますし、行政的医療というものを守るための運営費の負担金であると思いますので、ぜひ、こちらの負担金に関しては、引き続きお願いをしたいと思っております。

 最後となります。
 独法化移行に対し、情報公開がどのような対応になるのでしょうか。地方独立行政法人法第3条においては、地方独立行政法人は、この法律の定めるところによりその業務の内容を公表すること等を通じて、その組織及び運営の状況を住民に明らかにするよう努めなければならないという記載がございます。しかし、努めなければならないということでありますので、あくまで努力義務ということが示されているわけであります。
 住民監査請求の対応などはどうなるのでしょうか。また、幅広く多くの都民の方々に情報をオープンにする体制が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

都側
都側

1つ目の情報公開につきましては、東京都情報公開条例によりまして、都が設立した地方独立行政法人は、現在と同様、対象となります。
2つ目の住民監査請求につきましては、地方公共団体のみに適用されるもので、地方独立行政法人はその対象とはなりませんが、都から法人に対する財政支出につきましては、住民監査請求の対象になります。
3つ目の点でございますが、都民の方々への情報発信につきましては、法令上、住民等に対して積極的に情報を発信し、公表するよう努力義務が定められておりまして、法人において適切になされるよう検討をしているところでございます。

関口健太郎
関口健太郎

今ご答弁にもありましたが、住民監査請求は、地方独立行政法人法では対象とはならないけれども、都から法人に対する財政支出については対象となるということでありました。
 ただ、多くの医療の専門家が指摘をしているのが、やはり独法化に移行したときに、その病院の中身が極めて見えなくなってしまうということを非常に危惧をしています。
 ぜひ、そうした専門家や、あるいは、今回、もちろん都民も極めて懸念をしている事案でございますので、都の努力義務以上の情報公開というものを要望いたしまして、質疑を終わりたいと思います。